「この薬飲む必要なし」!生涯で初めて出会った名医!

 人は患った際、どんな医者と出会うかで、その後の命が決まる。世間には「先生」と呼ばれる医師がゴマンといる。だが、厄介なことに、全員が腕の立つ医者とは限らない。

 企業経営者や政治家、大学教授、大工、寿司職人に至るまでそれこそ、どの業態もピンからキリまでいる。いいお医者さんと遭遇することは、海岸の砂浜で宝石を探すようなものだ。それほど至難の業である。私は出会った。

 花粉症の私が偶然、目にしたのが産経新聞。1ページを使って花粉症治療の特集記事を掲載していた。

 その中の1人が東京・麹町 小川耳鼻咽喉科の小川先生である。記事を見た私はすぐ訪ねた。

 何年も花粉症の薬を飲んでいるが、特に鼻の右側がよく詰まり、悩んでいた。

 千葉県柏市から来たと話すと、「なんでまた、そんな遠いところから」と言いながら先生はすぐ診てくれた。即座に言った。「鼻茸が出来ている。これが鼻詰まりの原因です」と先生。

 さっそく休暇を取って手術をすることになった。「首から上は神経が集中している」と聞いていたので多少不安だった。3、4日入院するのかと案じたが、「手術が終わったら、すぐ帰宅可能」と先生。

 手術はアッという間に終わった。「止血してあるが、一応、血止めの薬を出しておきます。それでも万一、血が止まらないようなことがあれば、いつでもいいから電話してください」と小川先生は、自分の携帯の電話番号を私に教えてくれた。

 驚いた。一度や二度、受診しただけの者に携帯の番号を・・・。言葉にならないほど感激した。

 この日はちょうど金曜日だったので、土日に急変した際の対応まで考えて下さったのだ。もちろん、出血などただの一度もなかった。

 このような医師に出会ったことがない。「医は仁術」と口で言うにはたやすいが、実践できる医師が果たして東京に何人、いるだろう? おそらく、皆無ではないか。小川先生への私の信頼は一気に増した。

 その後、仕事が忙しくなり、転居も重なって近くの耳鼻咽喉科に通った。ある日、薬を10種類出した。無茶ぶりに気付いた私は「お薬手帳」持参で麹町の小川先生を訪ねた。

 10種類全部調べた先生が私に言った。「この薬すべてあなた、飲む必要ありません」

 続いて小川先生は「10種類の中に抗生物質がいくつあるか知っていますか?」「知りません」と私。4種類あった。抗生物質をこれ程服用するのは極めて危険だと指摘した。

 「英国では、よほどの重病でもない限り、一度に3種類以上の薬を出すことはありません」。小川先生は稀に見る名医である。

 人の命は「いい医師と遭遇するか否か」で決まる。

 その恩人がコロナ禍の昨年6月、ガンで彼岸に旅立たれた。先生の遺志を継いだ娘の若先生からあとで聞き、ショックを受けた。もう少し、お元気で診断を続けていただきたかった。

 いまとなってはご冥福をお祈りするほかない。  合掌

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