「冷蔵庫、まだありますか?オーブンレンジも」!

2011年08月02日のブログ「半歩前へ」  3カ月目の冷蔵庫、の再録である。

▼被災者から突然の電話
 朝メシを食べていたら見知らぬ人から電話があった。「あのー」と言って口ごもった。躊躇している様子がうかがえる。「何でしょう」の私の問い掛けで、やっと口を開いた。「冷蔵庫、まだありますか。・・・オーブンレンジも」。分かった。被災者の方からの電話である。

 原発震災の被災者の皆さんが市内に避難していることを知り、提供できる支援品の名簿を市に届けた。冷蔵庫は高さ120㌢、幅48㌢、奥行50㌢の小型だが、ほとんど使っておらず、状態がいいので提供を申し出た。あれから3カ月以上経過しているのに、音沙汰がなく、「希望者はいないのだ」とほとんど諦めていた。

▼冷蔵庫の運搬、横はノー
 突然の電話に、「オーブンレンジは希望者がいて、岩手のSAVE IWATEに送ったが、冷蔵庫はある」と返事。夕方、軽自動車で引き取りに来た。横にしても大丈夫か、と聞かれた。そういえば昔、冷蔵庫を横に倒して車で運んだ際、使い物にならなかったことを思い出し、改めてパソコンで確認してみた。

 冷蔵庫の運搬は、縦でないとダメだという。冷却に使用するコンプレッサーに入っている潤滑用の油が横にすると、配管内に流れ出てしまい故障する、とのことだ。気の毒だが軽自動車では無理。といって、私の車はセダンだからこれもダメ。弱った。

▼いわきから母子5人で避難
 電話の主は、福島県いわき市から避難してきた方で、原発からは30キロ少々離れているが、津波で全壊した。14歳を頭に4人の子どもと一緒に仮住まい。夫は仕事の都合でいわき暮らしだ。困ったことはないか、食器は足りているかと尋ねたところ、「食器はキャンプなどで使うプラスチック製」、皿は何とか使い回しているという。

 将来ある子に、「プラスチック」はない。せめて食器ぐらいは、まともなものを使わせてやりたい。3年前に他界した母が食器棚の奥に大切にしまっていた5枚組の大皿があった。一瞬、迷ったが、これだと焼きそばも野菜炒めも、スパゲティーもみんなOKだ。食べ盛りの子どもにも大丈夫、と差出した。「こんな高いものは結構です」と母親は何度も断ったが、「喜んでもらえたらそれでいい」と押し付けた。わきにあった未使用の漆塗りの椀4客もあげることにした。不足の1客は別の椀で勘弁してもらった。

▼最高の宝が全員無事
 自宅も家財道具も、すべて無くしたが、4人の子どもが誰1人欠けることなく無事だったことは、不幸中の幸いである。「モノ」は頑張れば何とか取り戻せるが、「命」の再生はない。その、一番の、最高の宝が全員無事だったのだから、「あなた方家族は必ず立ち直れる。多少、時間はかかるかも知れないがきっと再興できる」。母親の顔に笑顔が戻った。

 「人」という字のごとく、人間は誰かに支えられて生きている。私も多くの人々に後押しされ、支えられてきた。今回、ひょんなことから出会った母子も何かの縁である。見知らぬ土地に来て戸惑うこともあろう。年金暮らしでゼニはないが、それ以外の相談事なら何でも構わない。いつでも気軽に声かけてもらいたい。だが、被災者は遠慮がち。慣れるまでは、こっちから連絡を取ることにする。

*ところで、誰か120センチの冷蔵庫を運んでくれる方はいませんか。

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